過去、25年にわたる幼児とのふれあいの中、特に強く心に残っている子どもたちをここで紹介します。
いろいろな子どもから、そしてご両親から教えて頂いたことがあります。
これから受験される方に少しでも参考になれば幸いです。
遠距離からでも【白百合・淑徳・西武文理合格】
それは、四国からの一本のおばあちゃんの電話で始まりました。
父親の転勤により東京の私立小学校を受験したいとの相談を受けたのです。年中児の11月下旬のことでした。
とりあえず、準備できる教材を送り、上京するたびに教室での講習を受講することを勧めました。 家庭では、こちらのアドバイスをきちんと守り毎日の家庭学習を欠かさず、こちらが送った教材はすべてやり尽くしたそうです。 東京での夏の講習では、当初集団の中に入っての行動観察、口頭質問が苦手でしたが、 徐々にまわりのお友だちや教室にも慣れて力を発揮するようになり、自信も生まれてきたようです。 また、ご両親は願書の書き方、面接の受け方などの疑問点を質問され準備を進めていきました。 あとの夏休みは、家族で四国の自然を満喫し、おそらく白百合受験者の中では、 お母さんも含め一番真っ黒に日焼けしていたのではないでしょうか。
合格のポイントとして、東京の各小学校の説明会にはお父さんが必ず上京して出席、
志望校の選択をしました。情報収集と勉強の担当はお母さんで、本人と両親が東京に行って留守の間、
残った孫の面倒はおばあちゃんがみていました。受験に向けて家族全員の力が結束できたことが、
合格への最大の要因として挙げられます。また、講習会に参加することにより、本人自身のやる気が芽生え、
家庭学習の習慣ができ、教材の量に比例して受験への自信を深められたのではないでしょうか。
得意を伸ばし【学習院・暁星・聖徳学園合格】
本人は、早生まれで体は小さいのですが、負けず嫌いの性格でした。そして、短時間の集中力だけは誰にも負けず、
その処理能力には、担当する先生方も目を見張るほどでした。お母さんも本人の力や興味の対象をしっかり把握し、
適切な教材を前日に準備することを心がけていました。
また、宿題プリントや復習教材に対しても初めて取り組むような新鮮な気持ちや姿勢を持ち続けることができるように準備したそうです。
理解力・思考力も兼ね備えていましたので、入試も次々と突破しました。現在、小学1年生で今も教室に週1回通っていて、
とにかく数字が大好きです。教室でも計算力は3年生のお兄さんたちと同じ問題をこなしています。
とにかく、暇をみつけては数字に触れていますが、現在は、漢字を図形として捉えることを覚え、漢字にも興味を示し始めています。
家庭でもお母さんといっしょに本を読みながらコミュニケーションをとる中で、読書への興味がめばえてきているそうです。
合格のポイントとして、まずお母さんが的確に本人の力や興味の対象を把握し、得意な面を伸ばそうとしたことです。
そして、いつも教材に対して真剣で、新鮮な気持ちで取り組むよう教材を準備した点があげられます。
泣いてばかりいて【光塩女子学院・学芸大大泉合格】
日曜日に実施される『特別コース』で毎回のように泣いていて、教室に入れずいつもお母さんの後ろに隠れるようにしているお嬢さんでした。
そこで、私はお母さんに対して、時間に余裕を持って来室するように、というアドバイスをしたところ、
1時間前には教室近くの公園に到着し、親子で話し合ったり、遊具で遊んだりしました。そして、30分前には教室に入り絵本を読みながら、
一人ずつくるお友だちと徐々にあいさつをするようになりました。やがて心に余裕ができるようになり、
先生や雰囲気にも徐々に慣れ、良きライバルやお友だちができるようになると本人も次第にたくましさを増していきました。
夏の『合宿体験』参加後も大きく成長し、光塩女子学院合格につながりました。
家庭学習では、いつもお父さんが自分の使った仕事の資料の裏に問題をコピーしていました。 反復のための教材をコピーするのはお父さんの担当でした。問題も思考力を養うような難易度の高いレベルのものをくり返し練習しており、 9月の模擬テストもトップの成績を修めました。また、ご両親ともお仕事をされていたので、 一緒に行動されるのは日曜日に限られていましたが、講習の解説には毎回必ずご両親で出席しておられました。
合格のポイントとして、お父さんがどんなケースでも動じず、笑顔を絶やさなかったこと。
家族でリフレッシュタイムを企画していたこと。それに反復練習のための教材をお父さんがコピーしてくれたことですか。
そして、何よりも講習の解説には毎回ご両親そろって参加し意思統一ができたことではないでしょうか。
ボールつき345回【淑徳小から巣鴨中学へ】
年中児からの会員で、本人は運動が大の苦手なのですが、とにかく頑張り屋さんでした。
ご両親は本人が唯一好きなボールだけを練習させました。年長児になって夏の『運動講習』では、ボールつきで345回もつけたのです。
この時、まわりのお友だちから大きな拍手を受けました。受験後は小学校入学準備の講習会に参加し、
勉強の習慣を切らすことはありませんでした。都内の電車に興味があり山手線の駅名を漢字で書きたがり、
毎日の日記を欠かさずつけて文章力を高めていきました。
淑徳小入学後も会員として、週1回の授業で巣鴨中学に合格できたのは、この勉強習慣の継続と、 小さい頃から一番の頑張り屋さんだった性格だからでしょう。
合格のポイントとしては、苦手(運動)の克服を集中して取り組み、できるようになったという自信を持つことができたことです。
あの時に受けた大きな拍手も勇気につながりました。そして、ご両親が勉強に関しては苦言を呈することなく、
本人を信じ、勉強しやすい環境づくりをしたことではないでしょうか。